【part1】からの続きです。
今回は、ブレイクに関しての考察していきます。
Bクラスと違ってAクラスではブレイクは勝敗を握る最も重要なポイント
Bクラスの分析の際に、下記でブレイクの事も少し考察しました。
上記では、
Bクラスでブレイクが勝負を決めるかという点については、ブレイク関係の勝敗は5%以下なのでさほど関係はないと言ってもいいかと思います。
というように結論づけています。Bクラスでは、マスワリ率も2.5%と低く、ブレイクノーイン、ブレイクスクラッチからの取り切りも考慮しても5%ほどしか影響なく、
勝敗の95%以上は、ブレイクが関係ない部分でのミスとなっております。
一方、Aクラスはブレイク絡みからの取りきり割合は格段に上なので、「ブレイクの重要さ」がBクラスとは段違いなのは言うまでもありません。
そこで、いかにブレイクが大事か、ブレイクの詳しい数字を考察して、どのように勝敗に結びついているかを考察したいと思います。
考察1:ブレイクのポケット数と割合
まずはじめに、ブレイクでどれだけ球が入ったかを調べてみました。
ラックシートが使われるようになってから、コントロールブレイク、ソフトブレイクが浸透した今は、ハードに撞いている人はあまり多くはなく、1個、2個を確実に入れて取り出しを意識している人が多く見受けられました。ちなみに、ラックシートを使っていない試合(木ラック)はゼロです。
個数を見ていきましょう。
約85%が1個か2個。約10%がノーインです。
1.5という数字は非常にイメージが湧きやすく、ウイング+1個が入るか入らないかです。1番がサイドかコーナーに入ることが多いイメージです。
勝者側も敗者側もあまりポケットした数に関係がなく、ポケットした数は勝敗に関係ないことが分かります。
考察2:ブレイク権は有利か不利か?ブレイク権での勝敗について
すべてのラックからブレイクしたプレイヤーがそのラックを取ったか取られたかを分析しました。
もう少しブレイクが有利なのかと思いましたが、ブレイク権はさほど有利でもないという結論となりました。
ただ、SAやプロの試合になれば、マスワリ率もさらに格段に上がるので、ブレイク権側が有利なのは言うまでもありません。
ただし、次の考察を見るとブレイク時にラックを取ることがいかに有利かが分かります。
ブレイク権時にラックを取らないと勝てない
下記は、勝者側から見たものです。勝者側はブレイク権で7割ラックを取っています。
これは当然と言えば当然です。ラックを取ったから勝利に繋がった。
言い換えると、ブレイク権を得てもそのラックを取れなければ、負ける確率は上がるということになります。それが下記です。
一方、敗者側は3割ほどしかブレイク権でラックを取れておりません。
ブレイク時にラックを落とすと勝敗は厳しくなる
ブレイク権を得ていながら、ラックを落としてしまうと負ける確率はかなり上がります。
テニスや卓球ほどブレイクは有利なものではありませんが、ブレイク時に得点するというのは極めて大事なことが分かります。
考察3:バンキングでの勝利は試合の勝利に影響があるのか?
バンキングで勝利した場合、最初のブレイクができます。そのプレイヤーが試合に勝つ確率はどうでしょうか?
ほぼ互角。思った以上に影響はありませんでした。
バンキングした後に5連マスで負けたとか聞いたことありますので、もっと影響あると思っていました。
交互ブレイクはサンプルが少なかったので数字がありませんが、上に挙げたブレイク権を持っていても勝敗はあまり変わらないので、
交互ブレイクでもあまり変わらないと予想します。
考察4:ブレイクノーイン、ブレイクスクラッチ率は?
ブレイクノーイン率は、上のグラフで示しました9.2%です。
ブレイクスクラッチ率も調べてみました。
結果は7.2%、思ったよりも少なかったです。1ゲームに1回ないくらいです。
Aクラスでもスクラッチ回避はかなり意識していると思いますが、それでも10回に1回弱は起こるということです。
考察5:ブレイクノーイン、ブレイクスクラッチ(手球場外)は勝敗に影響するか?
下記はノーイン時のブレイカーのラック毎の勝敗。
若干勝率が下がるもののそこまで影響がありません。
ブレイクノーインということはウイングが入っていない⇒ラックが組めていない⇒トラブルがある場合が多いので取り切ることが難しい
ということや、9個残っているということでそこから取り切るのは難しいということかもしれません。
下記は、ブレイクスクラッチ(手球場外)をした場合の勝敗です。
やはり勝率は3割ちょっとに下がります。アンラッキーの場合もありますが、ブレイクスクラッチはなるだけ避けるように心がけるべきです。(当たり前ですが)
考察6:プッシュアウトの考察
サンプルがそこまで多くないですが、プッシュアウトした側がラック毎に勝つかどうか調べたものです。
こちらは全く互角となりました。プッシュアウトをコールしても厳しい配置もしくはセーフティをして、それが勝敗に繋がったケースは少ないものとなりました。
SAやプロの試合であればもっとキーになりそうですが、Aクラスの試合ではさほど影響はないようです。
イリーガルブレイクの考察
サンプルの数が少ないので統計が取れませんでした。
考察7:ブレイク絡みでどれくらい勝敗に繋がるか
こちらは最も大事な考察となります。
Bクラスでは5%以下と結論づけましたが、果たしてAクラスはどうでしょうか。
・マスワリ(マスワリの考察は次回以降詳しくまとめる)
・裏マス
・ブレイクスクラッチ(ブレイク手球場外)からの取り切り(取り切れない場合は影響はなしと考える)
・ノーインからの取り切り(取り切れない場合は影響はなしと考える)
・プッシュアウト(パスも含める)からの取り切り(取り切れない場合は影響はなしと考える)
等、
ブレイクが直接的に影響しているラックはいくつあるのでしょうか。
結論から申しますと、約25%=4分の1ありました。これはBクラスとはかなり異なる数字です。
マスワリ率は次項で詳しく書きますが、大体20%弱です。残りはブレイクスクラッチやプッシュアウト絡みです。
ブレイクで勝敗が半分は勝敗が決まるというのは言い過ぎですが、3割弱は影響してきます。
おそらく、SA、プロの試合となるとさらにブレイクの影響は大きくなります。
Bクラスの私が言うまでもなく、Aクラス以上の方々はブレイクが大事だということは百も承知だと思います。
ブレイクはコンディションやツキに非常に左右されるので、再現性は高くはありません。
だからこそ、うやむやにするのではなく、
ブレイクの種類、コンディション対応、ブレイク後の判断(プッシュアウト)等に対応できるような練習が必要なように思います。
【合わせて読もう】
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part1】
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part2】(ブレイク編)
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part3】(マスワリ編)
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part4】(ファール編)
Comments
-
[…] […]
Warning: Undefined variable $aria_req in /home/deka1280/billiard-lab.com/public_html/wp-content/themes/billiard-lab/comments.php on line 15
Warning: Undefined variable $html5 in /home/deka1280/billiard-lab.com/public_html/wp-content/themes/billiard-lab/comments.php on line 17
Warning: Undefined variable $aria_req in /home/deka1280/billiard-lab.com/public_html/wp-content/themes/billiard-lab/comments.php on line 17
Warning: Undefined variable $aria_req in /home/deka1280/billiard-lab.com/public_html/wp-content/themes/billiard-lab/comments.php on line 20
[…] […]