今回は、マスワリに関して考察していきます。
マスワリはAクラス以上の試合ではごく当たり前に出るもので、逆に「マスワリを試合で出せないようでは上で勝つのは正直厳しい」のが現実です。
Aクラスの試合で優勝するには、どれくらいの頻度でマスワリを出さないといけないのでしょうか。
全体のマスワリ率は正直、当てにならない
ただし、はじめに断っておきますが、数字は全体の平均を取ったものなので、各試合においてはあまり当てにならない数字です。
これは、コンディションによってマスワリ率は50%にもなったり、5%にもなったりかなり変わってきます。
特に、甘台とか、ポケットの受けがいい台になりますと、マスワリ率は跳ね上がり、一方で渋台、ピョンピョン台、ラックが立ちづらい台等になればマスワリ率はガクっと下がります。
他にも、試合の時間帯とかによっても変わります。例えば、2回戦目の試合ですと、体が温まった状態で疲労もあまりないのでマスワリ率は高かったりします。
このデータは決勝動画が多いので、夜中だったり、疲労が積もった状態での試合となりますので、レベルが高い試合とはいえ必ずしもマスワリ率が高くなかったりします。
正直なところ、その試合のコンディション、個々の調子によってマスワリの数字は変わるということを考慮して頂きたいです。
以上を踏まえて、マスワリについて検証していきたいと思います。
Aクラスのマスワリ率は?Bクラスのマスワリ率との比較
決勝戦でありながら、思った以上に低い数値となりました。
これは裏マスやブレイクから途中コンビでの取り切りは含まず、純粋なブレイクから、すべて取り切った率です。
Aクラス(ハウス決勝)全体のマスワリ率は下記↓
勝者側↓
敗者側↓
参考:Bクラス↓ これは以前のブログ参照です。
勝者ブレイクが多いので、勝者の方がブレイク数が多いのは当たり前です。
また、マスワリをしたから勝利に繋がったので勝者の方が割合が高いのは当たり前と言えば当たり前です。
敗者側は思った以上に少ないように感じました。
あくまで個人的な分析ですが、ハウストーナメントの決勝は時間帯が遅いこともあって疲労や集中力も切れているので、
マスワリ率だけで見れば2,3回戦くらいの方が多い気はします。
5ラック先取の試合の場合、平均すると両者合わせて7~8ラックが試合の平均ラック数となります。
そうなると、1試合当たり両者トータルで1回か2回出るかというのが平均の数字となります。
ブレイク後のマスワリ難易度から見たの取り切り率について
全体のマスワリ率が20%といっても、正直ブレイク次第では50%以上にもなります。
ブレイクの配置はコンディションによってかなり異なるので、非常にラックが立ちにいくいような台ですと5%以下に下がる場合もあります。
マスワリ難易度とは私が勝手に付けた名前なのですが、ブレイク後に取り出しからどれだけ取り切れそうかどうかっていうのを3段階の難易度に分けたものです。
マスワリといっても、ブレイクの後の配置がすべてであり、容易な配置とほぼ不可能みたいな配置では同じマスワリでも話が変わってきます。
そこであくまで私の判断ですが、難易度を1~3に分けました。
マスワリ難易度1⇒比較的簡単な配置:初めの球の取り出し有り、比較的取り切りが容易な配置
マスワリ難易度2⇒取り切りは難解な配置:①初めの球の取り出し有り+トラブルや取り切る配置の難易度が高い ②最初の取り出しは難しいが最初を取ればマスワリは可能
マスワリ難易度3⇒取り切りはほぼ無理な配置:①トラブル多い、最初の取り出し無し ②フロックやスーパーショット連続等がなければほぼ取り切りはほぼ無理な配置
難易度1~3の配置別のマスワリ率を出すことで、配置が良かった場合のマスワリ率と配置が難しい場合のマスワリ率の差を確かめることができます。
難易度1の配置の例
若干取り出しが難しいものも含まれますが、出しがそこまで難しくなく、比較的容易に取り切れる配置です。
ただ、判断が少し難しい、難易度2寄りの配置も一部含まれます。
難易度2の配置例
難易度2のレベルはというと、取り切りはなんとかあるものの、取り切り難易度は高いです。
もしくは、コンビやバンクで何とか取り切れるようなものも含まれます。
プロでも取り切りは比較的難し目の配置です。
(↑2のイレ難しい、3⇒5も嫌らしい)
(↑5,6ややトラブル、④⇒⑤⇒⑥難しい)
(↑5,7ややトラブル)
難易度3の配置例
画像の出典
上記の難易度を踏まえての難易度別のマスワリ率
まず、ブレイク後の配置が各難易度別にどの程度分かれるか。
これはあくまで私の判断による難易度になります。ブレイクスクラッチやノーインは除きました。
そして、それぞれのマスワリ難易度から果たしてどれくらいの確率でマスワリを成功できるかの割合です。
結果は、上記のようになりました。
自分の主観による配置難易度なので多少数値は変わるかもしれませんが、ざっくり難易度1でも成功率は50%いかないくらいです。
難易度2に関しては、最初に攻めるか守るかでも変わってきますし、出しが難しくなった場合は取り切りを諦めて守る場合もあります。
従って、全部のデータで「攻め守り」によって結果は変わったかもしれませんが、試合全体平均でいれば10%弱くらいということになります。
難易度3はさすがに、フロック狙いの撞き方はAクラスでやる人はいませんし、世界のトッププロクラスのスーパーショット連発でないと難しいので0でした。
連マス率
あまり参考にならないかもしれませんが、連マス率も調べました。
2連マスは全ラックのうち7回ありました。3連マスはありませんでした。
セルフカウントナインでの比較
土方Pが考案した、セルフカウントナインという練習方法があります。
これはナインボールをやって、マスワリなら10点、1回ミスなら9点とミスする度に減っていきます。ミスしたらすべてフリーボールで始められます。
これを10マスやって何点いくかというものです。ルールの詳細は上記のリンクから見てください。
ここで、土方Pは下記のようにレベルを分けています。
【10ラックの点数とクラスの目安】
63〜70 B71〜76 BB77〜 80 SB81〜84 A85〜86 AA87〜88 SA89以上 P
この数字をもとに、私の調べたデータが正しいものか検証してみましょう。
ブレイクの配置は、ざっくり下記のようになったとします。
ブレイク後の配置↓
難易度1 4ラック
難易度2 4ラック
難易度3 2ラック
難易度1の4ラックは取り切り率50%で2回マスワリが起こり10点。あと2回はミスして9点が2回。計38点。
難易度2の4ラックは取り切り率10%なのでマスワリはできず、トラブル処理も併せて8.5点が4回ということで、計34点。
難易度3の2ラックはトラブル処理もあるので8点として、16点。
計:88点。
もちろんミスもあるので、85~88点くらいのAA上~SA基準ということになります。
あくまでこれは平均点なので、これをコンスタントに出せばAクラスの試合では比較的勝てる確率が上がるということになります。
やはり、土方Pの基準はある程度正しいと言えると思います。
Aクラスで優勝するためには?
最もシンプルなのは、相手よりもマスワリをたくさん出すということに尽きます。
もちろん、セーフティや細かい技術、豊富な知識も当然必要になってきますが、
相手に撞かせることで不確実性が上がりますし、こちらが確実に取り切れようになり、相手に撞かせない方が確実です。
マスワリを出すにはブレイクの上手さが不可欠です。
難易度1の配置にするためのブレイクを徹底的に研究する。コンディションに合ったバリエーションを持つことが大事です。
【part2】でも紹介しましたブレイクをまずは取れる配置に持ってくる。これはツキの要素もありますが、かなり研究することで手球の配置や取り出しの精度を上げていくこともできます。
トッププロの大井プロはDVDの中で1日200球くらいブレイクの練習をしていると記憶しています。
また、その配置になってから取り切れないと話になりません。
上記のデータからすれば、難易度1の配置から最低半分くらいは取り切れるようにならないとダメです。
練習方法としては、ブレイクをしてそのブレイク後の状態から、難易度1の配置に球の配置を調整する。
そこからどれだけ取り切れるかというものをやるのがよさそうです。成功率が2割とかだとやはり上で勝つのは難しいように思います。
また、セルフカウントナインをやってもいいかと思います。甘台の平場では平均90点くらいは目指したいです。
試合で自分がブレイクの際、どれくらい難易度別にブレイクが分かれるか。例えば、難易度1が10回中1回とかだったらかなり厳しいです。
また、その難易度からどれだけマスワリが出たか記録していくと面白いかと思います。
【合わせて読もう】
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part1】
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part2】(ブレイク編)
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part3】(マスワリ編)
9ボールAクラスの試合で優勝するのに必要な事を300ラック以上見て数字にまとめてみた【part4】(ファール編)
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